星新一のハナシ

初めてショートショートを読んだのは
小学生か中学生の時だったかな。
「おーい　でてこーい」という話だった。

ストーリーがわかりやすくて印象に残ったのか
高校に入ってから本格的に文庫を買い始めた。
ちょうどその頃、太宰治にもはまっていたので
セットにして読んだものだ。
太宰の小説はあまりにも重たすぎて暗くなるので
星新一のを読んで気分を変えようという感じ。

今から思えば安易な事だと思うけれど、今でも
その傾向は変わっていないかもしれない。

その星新一を今また読み返している。
やはり面白いのだ。
普段は長編ものが大好きで、短編などはあまり
読まないクチなのに、星さんの作品だけは
わくわくしながらページを繰る。
短いやつは２ページにも満たないほどの長さしか
ないのに、面白いの。
かなり昔の作品でも古さを感じないし、時代も感じさせない。
SF要素もかなり入っているけどそれだけじゃない。
こんな素直に直球を投げられたら気持ちがいいくらいだ。

かくして今読んでいるのは「さまざまな迷路」という文庫。
絵が上手なら浮かんだイメージを描いてみたいよ。
とにかくいいもんだと思う。

本ってやっぱりいいなあ。