カルラの日々徒然

気がつけばマイナー好きになっていた

桜路

春の陽気に誘われて開いた花が
緩やかな風に乗って舞い始めた

日毎 路を染めゆく花の色は
闇にも溶けることなく佇んでいる
その淡い色は

どんな強烈な色よりも鮮明で
どんな大輪よりも凛としていて
それでいて どんな花よりも優しい

「さくら」と綴る三文字のかなに
憧れる気持ちは恋にも似ていて
手に入れたとたん消えてしまいそうな
儚さを覚えるのは何故なのか

この色を目にする頃 いつも僕は
何かに恋しているのだろう
うまく言えないもどかしさが
また今年も道端に散って消えていく

散った想いなどなかったように
桜路はそうして巡ってくる